ぴあトークバトルスポーツ快楽主義2008 Vol.61~どうなる!?トップリーグプレーオフ マイクロソフトカップ~

マイクロソフトカップに出場する4チームの監督の集うトークイベントに行ってきました。なかなか面白い話が聞けましたが、其の中で印象に残っているものを幾つか。

今季予想以上に活躍した選手はいるかという質問で、清宮監督はPRの尾崎選手を挙げていました。サンゴリアスの公式サイトや清宮ブログを見ていると、とても信頼されている感じが伝わってきていたので、やはりなあと思いました。そして、今季急激に伸びたきっかけはあるのかと問われて、沢山あり過ぎてここでは話しきれないと断った上で、一つだけ逸話を紹介してくれました。

ワールドカップ期間中サンゴリアスは選抜選手でフランス遠征をしたのですが、その時点では尾崎選手は4番手で日本に居残りでした。遠征の数日前にスクラム番長長谷川慎PRコーチが、自分は残るのであと一人PRにチャンスを与えて欲しいということで、3番手のPR東野選手もフランスへ行くことになりました。それでも尾崎選手は4番手なので居残りです。遠征は現地でWCの雰囲気を生で体験し、またフランスのクラブチームとも試合をし、成功裡に終わったようですが、そこには尾崎選手は居なかったのです。けれども、選抜選手がフランスへ行っている間、尾崎選手は番長との濃密な2週間を過ごしたのです。勿論それだけではなく今までの積み重ねもあるし、他にも沢山の要因があるが、一つのきっかけだろうということです。いい話ですね。開幕前4番手だった選手が今や堂々のレギュラーです。

三洋の宮宮本監督は同じ質問に対し、最初は全員が期待通りの働きをしてくれたので、特に予想以上に活躍した選手というのはいないと答えていたのですが、清宮監督の発言を受けて、やや冗談めかして、じゃあうちもPRの相馬かなと発言しました。それに対して清宮監督はフィールドプレーは素晴らしいが、日本代表としてあのスクラムはどうにかなりませんかねと茶々を入れます。宮本監督は、決してスクラムが弱いわけではなく、代表に取られた分開幕前に十分にスクラムを組みこめていないのが原因だと弁明していました。スクラムはある程度数を組まないと強くならないということです。それを聞いて、先ほどの尾崎選手の話を思い出し、番長と過ごした2週間は、逆に集中してスクラムに特化して練習ができ、プロップのような専門職にとっては実に有意義な時間だったんだろうなと感じました。

宮本監督は選手時代に清宮監督と高校、大学と2度対戦したことがあるそうで、その2試合ともで宮本監督は靱帯を切ったそうです。今季の対戦でも、ダニエル・ヒーナン選手が怪我をしたそうで、相性が悪いと苦笑いをしていました。ちなみにヒーナン選手が怪我をしたのは、栗原選手が決定的なトライチャンスで足を滑らせて転んでしまったのですが、その時につられて転倒し怪我をしてしまったそうです。その試合は私も見に行っていて、流れがサンゴリアスに傾きかけたところでの手痛いミスだったのでよく覚えています。清宮監督は、あのプレーで勝利は逃がしたが、引換にヒーナンを潰したので栗原選手は影のMVPだと冗談を飛ばしていました。

最後はマイクロソフトカップの話題を越えて、トップリーグ全般、日本代表にまで話が及びました。

外国人枠の問題についてどう思うかという質問で、トヨタの石井監督が来季の新構想を前提に話をしていましたが、これはまだ公表してはいけなかったらしく、司会の村上さんが、「なんだか言っちゃった感がありますね~」と突っ込んで、「え、言っちゃいけないの?」と石井監督が慌てるという場面がありました。隣に座っていた清宮監督は、後方の関係者を指差して「ほらあそこの人怒ってるよ。」とからかっていました。どういう構想かは大体推測できましたが、一応公表前のようなので、ここには書きません。実現すれば楽しそうです。

清宮監督は観客に逆に聞きたいということで、日本代表の外国人が何人までだったら心から応援できるかという質問を投げかけました。5,6人まではいいというところでは大半の人が手を挙げましたが、7,8人ではという声に手を挙げたのはまばらで、10人以上でもいいと答えたのは1人だけでした。清宮監督の個人的意見としてはたとえ14人が外国人でも桜のジャージを着ているのであれば心から応援できるということですが、ファンの意見としてはこういう現状があり、トップリーグに外国人を受け入れ続ける限り、正当な実力で評価すればこれから日本代表に選ばれる外国人の数は増えるのは明白で、それに対してもっと議論が交わされてもいいのではないかと言っていました。確かにトップリーグに高水準の外国人選手が増えることで、観戦の楽しみは増えますし、その選手の良い面を学んだり、真剣に体をぶつけ合うことで、日本人選手の水準もあがるという効果も期待できますが、日本代表が外国人だらけになる可能性もありますね。ラグビーはそれを受け入れる寛容さが魅力だという意見もありますし、やはりそうは言っても日本人選手が活躍する姿を見たいというのも人情です。難しい問題ですが、避けては通れませんね。ちなみに私は5,6人までかなとなんとなく思っていましたが、話を聞いているうちに、まああまり国籍に拘らず、日本の為に戦ってくれるという心意気があればいいのかなあという気もしてきました。

日本代表スコッドはもうチームには伝えられているそうです。来週発表とのことで、どんな選手が選ばれているか楽しみです。

他にも沢山話があったと思いますが、とりあえず思いつくままに書きました。