春過ぎて夏来たるらし白たへの衣ほしたり天の香具山
高天原廣野姫天皇(持統天皇)『万葉集』
この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む
大伴家持『万葉集』
庭石を斜にすべれる真冬日の日かげは宿る藪柑子の実に
若山牧水
賢しみと物言ふよりは酒飲みて酔ひ泣きするしまさりたるらし
大伴旅人『万葉集』
あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながしき夜をひとりかも寝む
柿本人麿『拾遺集』
振り仰けて若月見れば一目見し人の眉引おもほゆるかも
大伴家持『万葉集』
春の苑紅ににほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ
大伴家持『万葉集』
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
俵万智『サラダ記念日』
願はくは花の下にて春死なんその如月の望月のころ
西行『続古今和歌集』
見渡せば柳さくらをこきまぜて都ぞ春の錦なりける
素性法師『古今和歌集』
經もなく緯も定めずをとめらが織れるもみちに霜なふりそね
大津皇子『万葉集』
大空におおふばかりの袖もがな春咲く花を風にまかせじ
よみ人しらず『後撰集』