友人と「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展に行ってきました。とっても面白かったです。
以下は展示の感想とは直接には全く関係のない戯言です。ふと懐かしいことを思い出したので書いてみます。
展示のシリーズの内の1つ<今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない>は、アルベール・カミュの『異邦人』の有名な冒頭の一文「今日、ママンが死んだ。もしかすると昨日かもしれないが、私にはわからない。」から取っているそうです。
もう10年ぐらい前のことだったと思います。『異邦人』を読んで、自分は主人公のムルソー君にそっくりだなという感想を持ちました。そのことを当時好きだった女性(高校の美術の先生でした)に話したところ、「そんなの知っていたよ」と返されました。僕はその一言で彼女に完璧に恋をしてしまいました。
彼女は恋ヶ窪という素敵な名前の土地に住んでいて、その恋ヶ窪の駅前の公園で告白をして、「駄目だよ」という返事を貰ったのを今でも覚えています。その後しばらくは世界は灰色でした。失恋するといつもそうですね。
そんな話を一緒にいた友達にしながら、恵比寿の「恋酒場」という店で杯を傾けて帰ってきました。恋尽くしの1日。