学術研究室 古川立花ゼミ

京都での修行の成果です。古川守彦特命教授の立花ゼミで勉強してきました。今のいけばなを模索しています。すっきりとした明確で簡素な花を心がけています。

立花正風体 燕子花、縞太藺、河骨、著莪
立花正風体
燕子花、縞太藺、河骨、著莪
立花新風体 夏はぜ、燕子花、縞太藺、珍珠梅、浜撫子、ヒューケラ、アスパラガス
立花新風体
夏はぜ、燕子花、縞太藺、珍珠梅、浜撫子、ヒューケラ、アスパラガス
立花新風体
撫子、オクロレウカ、縞太藺、珍珠梅、浜撫子、ヒューケラ、アスパラガス、サンゴアナナス

夏の水辺の風景をいけばなで表現する

生花正風体 燕子花、太藺
生花正風体
燕子花、太藺

「交ぜ生け」という特殊な生け方です。

これは「生花(しょうか)」という様式です。生花は真(しん)、副(そえ)、体(たい)という3つの部分で形作られます。通常はそれぞれの部分に1種類づつの花材しか使いません。

2種類でいける場合でも、1種類を真と副、もう1種類を体という風に配することが普通です。例えばこの作品と同じ組み合わせの場合、真と副は太藺、体は燕子花とします。

例外としてこの「交ぜ生け」があります。2種類それぞれを真副体に配します。つまり、真副体どの部分も通常は1種類のところを2種類の花材で構成されるのです。種々の秋草が咲き乱れた姿を表現したものです。

本来は秋の表現ですが、夏もそれを応用してこの作品のように水辺の植物が混ざり合いながら群生している姿を表現することができます。

真副体それぞれに2種類の花材を持ってきますが、挿し口は交ぜないことがコツです。この作品の場合は前に燕子花、後ろに太藺が挿してあります。足元は交ぜずに上で交ざり合います。そうすることで水際の部分がすっきりとまとまるのです。

いけばなの根源池坊展 東京花展

立花新風体 夏はぜ、花菖蒲、カンガルーポー、ゴム、ヒューケラ、ウーリーブッシュ
立花新風体
夏はぜ、花菖蒲、カンガルーポー、ゴム、ヒューケラ、ウーリーブッシュ

いけばなの根源池坊展東京花展出瓶作品です。夏が大好きな僕が、踊る気持ちを託して立てた初夏の立花です。燦々と降り注ぐ陽の光、肌に心地よい風、そういったものを表現したつもりです。いかがでしょうか。

檜原村

東京都の西の果て、檜原村へ行ってきました。色とりどりの緑が実に美しかった。水が好きな僕にとって、小川に沿って歩いて、滝まで見られたことも楽しいことでした。素敵な場所でした。

燕子花一色に挑む

立花正風体 燕子花、銀宝珠、檜扇、オクロレウカ、著莪
立花正風体
燕子花、銀宝珠、檜扇、オクロレウカ、著莪

燕子花一色という立て方です。立花は通常様々な種類の植物を取り合わせます。例外として、7つの「一色物」があります。一色物とは、ある1つの植物を主体にして立てるやり方です。松、桜、紅葉、燕子花、蓮、菊、水仙の7つです。『立花十九ヶ條』という伝花の中にこの7つの一色物が入っています。

古くは江戸時代の初期に立てられた絵図も残っています。数百年に渡り、燕子花の様々な美を追い求めてきたわけです。長い年月を経て型が出来上がりました。様々な約束事があるのです。ただし、一口に燕子花一色と言ってもずっと同じ型を寸分たがわず伝承してきたわけではありません。時代によって、その捉え方も表現方法も違います。

『立花十九ヶ條』はそれまでの伝承を、明治時代に整理した物です。細かな約束事が多く、それだけ緻密とも言えますが、一方で決まりにがんじがらめになっているようにも感じられます。

この作品は、『立花十九ヶ條』の燕子花一色の決まりからは逸脱している部分もあります。僕なりに今の感覚に合う燕子花一色を模索した習作です。固い考えの先生からは決まりを破っていると批判されるかもしれませんが、僕は花は常に変わっていくものだと思っています。

いけばなは遺産ではなく文化です。遺産は、それをそのまま保存することが至上命題です。万が一遺産に手を加えてそれを変えてしまったら、その遺産の価値は無くなります。一方で文化は、その時代その時代の最先端の集積です。例えばファッションだったり音楽だったりは時代に応じて当たり前に変わっていきます。いけばなもそうなのです。僕は下手糞なりに今の花を追い求めています。