クリスマスだけじゃないポインセチア

生花新風体 ポインセチア、オクロレウカ、パイナップルリーフ
生花新風体
ポインセチア、オクロレウカ、パイナップルリーフ

ポインセチアと言えばクリスマスという印象を持つ方が多いと思います。それはそれでいいのですが、そうではないポインセチアの魅力というのもあるでしょう。

いけばなはある面では暮らしの中の文化ですから、行事に合わせた花をいけることも多いです。一方でそういうものとは関係なく、純粋に草木の美しさをいけ表すこともよくあります。

この作品はクリスマスとは離れて、ポインセチアの美しい色と姿に心を惹かれて生けたものです。ポインセチアの新しい魅力が表現できているといいのですが。

難を転ずる

古典立花 南天、松、水仙、梅、椿、柘植、枇杷、苔木、若松、羊歯、小菊
古典立花
南天、松、水仙、梅、椿、柘植、枇杷、苔木、若松、羊歯、小菊

南天は「難を転ずる」に音が通じることから目出度いものとして扱われます。大らかに広がる葉と、真っ赤な実が美しいですね。

今年を振り返ると、いいことばかりであまり転じたい難が思い浮かびません。もちろん嫌なことや辛いこともあったのでしょうが、僕は忘れっぽいのでほとんど覚えていないのです。特に難なく平穏無事に過ごせたことに感謝です。来年も良い年でありますように。まだ今年がもう少し残っていますが。

目出度い花

生花正風体 万年青
生花正風体
万年青

万年青と書いて「おもと」と読みます。その字が表す通り、古い葉が枯れる前に新しい葉が出てきて、常に青々した状態を保ちます。そのように葉が絶えずに続いていくことから「相続き易き物」として、大変に目出度い花とされています。昔は婚礼の席によくいけられたと言います。

いけばなでは実のものは通常はお祝いの席にはいけません。実というのは美しく、また実り、成熟の結果ですから一見いい意味を含んでいそうです。しかし、実ったということはそこで完成、終わりであるとも言えるわけです。後は熟して種を落とし、次の世代に繋いでいくわけです。人の一生に例えると晩年と言えそうです。そういう考えから、いけばなでは実よりも、未来を含む蕾を尊しとする価値観があります。そんな中で、万年青は先に述べた理由から特別に祝いの席にいいとされています。

生花(しょうか)という伝統的な生け方の中でも特殊な「伝花」の一つです。『七種伝』という伝の中に入っています。通常の生花は真、副、体という3つの役枝と呼ばれるものを中心に構成しますが、万年青は立葉、露受葉、ながし葉、前葉、という4つの葉を中心に構成します。このような生け方をするのは万年青だけです。非常に特殊な生花と言えます。古い葉の株の間に実がなり、その脇から新しい葉株が出てきた様子を表現しています。

自然の姿を観察し、そこに人間の感情を託して、このような万年青の生け方が整えられ伝えられています。実にいけばならしい物の見方だと思います。特別な祝意を含んだ花を、楽しみながらいけてみました。

僕の情熱は赤なんて単純なものではない

立花新風体 ばら、カラテア、パイナップルリーフ、ベル鉄線、アンスリウム、シクラメン、木瓜、手毬草、風草
立花新風体
ばら、カラテア、パイナップルリーフ、ベル鉄線、アンスリウム、シクラメン、木瓜、手毬草、風草

古川特命教授の立花ゼミで勉強した作品です。

美しい色のばらに出会いました。内に秘めた仄暗い情熱を暗示しているようです。静かな、かつ燃えるような雰囲気が表現できたのではないかと思っています。

型の中で遊ぶ

立花正風体 竹著莪、水仙、つるうめもどき、シーグレープ、寒菊、著莪、檜
立花正風体
竹著莪、水仙、つるうめもどき、シーグレープ、寒菊、著莪、檜

古川特命教授の立花ゼミで勉強した作品です。

立花正風体という型のある生け方です。型はその通りにやることで安定した美を生み出してくれる大変ありがたい存在です。一方で、型通りでは面白みのない花になります。型の中でどれだけ遊んで、魅力ある花にできるかを模索しています。これは割と気に入った作品です。