京都観光

中研の学院際を見るため、土日に京都へ行ってきました。

普段は京都へ行っても家元にいるだけで観光は全くできません。今回は折角の機会だからと土曜日は丸々空けて、色々と見て回ることにしました。

京都へは昼ごろ到着しました。どこに行くと決めていた訳ではないので、駅前の地図を眺めて、なんとなく名前を聞いたことのあるところを探しました。桂離宮と修学院離宮が目にとまり、どちらに行こうか迷ったのですが、桂離宮は、近くにほかにめぼしいものがなかったので、修学院離宮へ行き、そこから南下することにしました。

駅から結構歩き、少し疲れを感じつつようやく修学院離宮に辿り着くと、なんと事前に申し込みがいるそうで、中に入れませんでした。がっくりきましたが、仕方がないのであきらめて、近くにある曼殊院へ向いました。

曼殊院は多数の立花図を蔵していることで、池坊の花を学んでいる私にとっては、その名に馴染みがあります。前から訪れてみたいと思っていた場所の一つです。

堂内には勿論立花図も展示されていて、それは素晴らしかったのですが、建物自体や庭も非常によかったです。特に立派な床の間のある部屋はそこからの庭の眺めも含めてとても居心地がよかったです。

そして、特筆すべきは八窓軒茶室です。八つの窓があることからその名がつけられています。八というのは仏教の何かに由来するそうですが、忘れました。客が座る場所の窓には、庭の緑に反射した光があたって、障子がほのかに緑色になります。さらに、障子の向こうに渡された竹が影になって障子に映るのですが、その部分が真っ黒ではなく、なんともいえない微妙な色になるのです。日の陰り具合によっても窓の色が変化し、楽しめます。日が当たるほうの壁は黒く塗られており、その所為かと思いますが、室内は薄暗く、それがまたなんとも落ち着く雰囲気を作り出しています。3畳の狭い空間ですが、窮屈さを感じず、とても寛げる場所でした。案内の係りの人が付いていたので、あまり長い時間居ることはできませんでしたが、もう少しぼおっとしていきたいなと思えるほど気に入りました。

そんなわけで、大満足で曼殊院を後にし、ふらふらと南へ歩いていくと、詩仙堂の案内看板が目に入り、ふらりと立ち寄りました。

ここはこじんまりとした建物で、白砂が広がる庭がよかったです。庭を眺めている間、鹿おどしの音が響き渡り心地よかったです。

ここでカメラのバッテリーが充電切れになってしまい、幾つか撮りたいと思ったところを逃がしてしまいました。残念です。

さて、詩仙堂を出ると時間は午後の3時近くになっていました。随分歩きまわりましたし、お腹も減っていたので、くたくたです。遅めの昼食で一息いれました。それからまたてくてく歩き始め、途中でカメラ用の乾電池を買い、銀閣へ辿り着きました。

ここでまた思いもかけない事に、なんと銀閣が屋根の葺き換え中ということで、周りに足場が組まれていて、まるでそこらでよくみる改装中や建築中の住宅のような姿になっていました。最初はがっくりきたのですが、眺めているうちに、却ってこんな姿は滅多にお目にかかれないなと思い始め、だんだん面白く感じるようになりました。銀閣は過去に2度ほど見たことがありますし、今回は少し変った姿を楽しめてよかったように思います。

銀閣をでると午後の5時を回っており、体もぐったり疲れていたので、観光はこれでお仕舞いにすることにしました。3箇所ともそれぞれよく、楽しい1日でした。