信濃路紅葉鬼揃

幕見で「信濃路紅葉鬼揃」を観劇してきました。玉三郎と聞いていてもたってもいられなくなったのです。

昨年シネマ歌舞伎で「鷺娘」を見て以来、是非生の舞台を見たいと思っていた人なのです。舞台は期待通り美しいものでした。玉三郎丈の動きは見事の一言で、うっとりと見入ってしまいます。また全体の調和も見事でした。舞台上の人物の動作、配置、配色など緻密に練られているのだろうと感じました。

惜しむらくはもっと近くで見たかったということです。宝くじでも当たらないか知らん。

それから、なにか似たようなものを見たことがあるなあと思っていたら、能の「紅葉狩」を下敷きにしたものだったんですね。確か一昨年ぐらいに海老蔵の「紅葉狩」(こちらも能の「紅葉狩」を歌舞伎化したもので、題目はそのまま)を見ました。筋は大体同じですが、特に後半部の演出ががらりと変えてあります。それぞれに楽しかったのですが、私は今回の「信濃路紅葉鬼揃」の前半部分の張り詰めた美しさが忘れられそうもありません。