丸谷才一さんの『輝く日の宮』というお話の中から愉快な場面を紹介します。とっても面白いのでぜひ読んでみてください。
ほら、ゐるぢやないですか、代議士で政策論となるとからつきし口が出せないのに、議事手続きとなると張り切つてペラペラまくし立てる奴
『輝く日の宮』
あの蝉はニイニイ蝉かミンミン蝉かという論争があるさうですが、―
『輝く日の宮』
彼の専門は浄瑠璃と歌舞伎。近松についての本が一冊、丸本歌舞伎についての本が一冊ある。ちよつといい男だが、極端に禿げあがつてゐて、わづかに残る髪を簾状に用ゐてごまかしてゐる(つもりである)。松竹に紹介してもらひ、鬘を作ればいいのにといふのは、学会ではもう陳腐な冗談。
『輝く日の宮』